2017-02-06から1日間の記事一覧

書き下ろし短編:『白濁を耳に』

「う、ゥウッ……グッ……アッ……!」 その少年の放った声は、講義室の静寂にいとも簡単に飲み込まれてしまった。おれはすぐさま言葉を添えることはせず、肌を刺すようなこの沈黙をもって、彼自身に感じてもらうことにする。少年はひどい猫背姿で立ち尽くしたまま…