MidnightInvincibleChildren

趣味:人間観察、ボランティア。/『イコライザー』

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男には二つの顔がある。
 
名はロバート・マッコール。ホームセンター従業員。強迫神経症的生真面目さの一方、他の職員への面倒見もよく、ユーモアも欠かさない。眠れない夜には24時間営業のダイナーへと赴き、そこで読書に耽っている。店の常連客であるテリーとは顔を合わせれば他愛のないやりとりを交わす仲だった。彼女はロシアンマフィアに囲われている娼婦であり、顔には真新しい痣ができている。夢は歌手になること。そう話す彼女だけが、ロバートの瞳が持つ深い寂寥に気づいていた。
そんなある日、テリーが客への粗相を咎められ、他の娼婦への見せしめも兼ねて激しい暴力を振るわれる。そのことを知ったロバートは、9800ドルを手にマフィアの経営するロシア料理店を訪れた。これを彼女の手切れ金として受け取ってくれ。テリーのために封筒パンパンのお金を差し出すロバートだったが、ロシアンマフィア達は嘲笑し、彼の願いもあっさり一蹴してしまう。だがこのときロシアンマフィアは誰ひとりとして気づいていなかった。室内を一瞬でスキャンするこの男の、瞳の奥に広がるあの虚無を。ドアを背に立つこの男の、もうひとつの顔を……。
 
 
 
 
ということで“実は”最強の殺人マシンだった男が悪党どもを血祭りにあげる「全然飽きないよくある話」映画の新たなる傑作『イコライザー』がついに公開。主演を張るのはデンゼル・ワシントン。優等生的イメージのある彼だが、ここ数年の出演作を見てみると意外にも暴力値数は高め。そしてここにきて一気に思いもよらぬ境地にまで達してしまうのである。

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なにがすごいってこの目。この表情。今回の彼は終始こんな顔して悪党どもを成敗していく。娼婦を殴ったマフィアはショットグラスやコルクスクリューで瞬殺。みかじめ料を払わなかった制裁に放火をする悪徳警官は証拠映像撮影後にボコボコにするし、レジのお金だけじゃなく同僚のおばちゃんから形見の指輪まで奪っていった強盗にはハンマーによる秘密のお仕置きを執行する。とにかく行動の理由が私利私欲ではなく、「それはアカン」という正義の心だという点が清々しい。しかもそれら一連の行動を、日中働くホームセンターで材木を切り分けたりする際となんら変わりのない表情でこなしてしまうところにえもいわれぬ迫力がある。ロシアン極道五人を片付ける際にも「何秒でやれるかな」とストップウォッチで計測、終了後そのタイムを確認して「まあこんなもんか」と目を閉じるその表情にあふれていたのは恐ろしいまでの生活感だ。劇中、ロバートが家事の最中にもストップウォッチを使ってタイムを計測している場面が出てくるが、この男にとっては家事と殺人が同じラインにあることが示されていて引く。

 

HOP

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STEP

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 FUCK

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まるで壁から突き出た釘を金槌で元に戻すかのような作業感。こいつは一体何者なんだ?と思っていると案の定元CIAの特殊工作員。映画をグッと面白くさせる要素である元工作員様なのだった!ヤッター!

 

 

 かつて自らが職務として行った凄惨な行為を省み、現在はボランティア・パニッシャーとしてひっそりと活動することに生きる意味と喜びを見出した彼。しかし世に蔓延る極悪人どもだって当然黙っちゃいない。五人も殺されているロシアンマフィアの総元締めは事件の真相解明&解決のために一人の男をアメリカへと送りつける。その男こそかつて特殊部隊(スペツナズ)にも所属していたサイコパス野郎のテディ。ズドラーストヴィチェ!

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 殺人マシンを追う殺人マシン。動き出した巨大な悪に対して、更なる動きをもって対抗するロバート。ロシアンマフィアのシノギを調べ上げ、徹底的に潰していく。そこでも相変わらず事も無げな表情は崩れない。もちろん爆発を背にしていようともこの顔だ。これができないと元工作員は名乗れない!

 

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それにしてもこんな男がホームセンターに勤務していたとは驚きであるが、怒り心頭の極悪ロシアンマフィアもその驚きを逆手にとって彼を追い詰める。それは彼の居場所を奪うこと。ということで最後の方では彼のホームであるホームセンターにてロシアンマフィアの私設部隊との大戦闘に突入するのだが、まるでホラー映画でも観ているかのような凄まじい展開になるのでぜひ自身の目で確認してほしい。

 

その男、イコライザー。世の天秤の均衡を保つべく徹底的に悪を挫くのである。ぶれない佇まい、一瞬で相手の特徴をスキャンする人間観察力と底なしのボランティア精神。おい、そこの浮かれた大学生。なんだその自己PR欄は。ロバート・マッコールさんをパクってんじゃねえ。ほっぺにチューただそれだけを最高の報酬として受け取れないお前なんかにワンチャンなんて永遠にないってことを肝に銘じて佐野ひなこでオナニーでもしてろ!!!ぼくはもうしました。