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みんなでみようね/『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』

 

祝!『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』公開。

 

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バーニー隊長率いるハリウッドの消耗品軍団が三度目の登場!

今度の舞台は世界だ!

 

相も変わらずイカれたメンバーが勢ぞろい。今回はシリーズ中メンバー最多状態。でもこれだけの面子を集めておいて映画として成立するのだろうか?と心配する向きもあることだろう。だいじょうぶ!

あ、でも待てよ……?

ええいうるせえ!

祭り囃子が聞こえてくるぜ!


The Expendables 3 (2014) - Exclusive Teaser ...

 

イカれたメンバーどもの紹介といこう。

 

【バーニー・ロス】

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言わずと知れた消耗品番長。齢70を前にしてこの腕。世の暴れん坊どもをまとめあげる手腕と人望とキンバー・ゴールド・コンバットⅡと改造ピースメーカーが武器。今回は宿敵との対決にあたり、愛する野郎どもにクビを宣告するという苦肉の策に出る。

 

【リー・クリスマス】

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ナイフから格闘術までオールマイティにこなす戦闘マシン兼バーニー・ロスの愛人。歯茎を見せて無邪気に笑う。仲間との飲み会に彼女を連れてくるような神経の持ち主だったが、今回愛するバーニーに苦渋の三行半を突きつけられ、自宅のテレビを破壊する。

 

【ガンナー・ヤンセン

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MIT卒の電波男。巨大なナイフとグレネードランチャーを振り回して暴れる野蛮なファイトスタイルだが、実は狙撃の腕も一流で名サポートを見せてくれるし、新しいものを果敢に取り入れる姿勢もあり。クビを宣告され、向かった先は射撃場。スライドストップにも気づかず引き金を引き続ける姿に彼の心情が垣間見える。

 

【トール・ロード】

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餃子耳ゴリラ。近接格闘に秀でているが前作ではほぼ見せ場なしという悲劇の男。今回こそは!と勇んでいたところでまさかのクビ宣告。冗談だろ!その屈強な見た目に反してセンシティブなハートの持ち主なので早速バーでやけ酒。横ではしゃぐ団体客を見て涙するというめそめそっぷりを披露してくれる。

 

【ヘイル・シーザー】

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エクスペンダブルズきってのムードメーカー。そのガタイに相応しい重火器を使用する。前作でトレンチ(シュワちゃん)に借りパクされたAA-12フルオートショットガンの代わりに、今回はミニガンを景気よくぶっ放している。しかしソマリアでの作戦中、思わぬ悲劇に見舞われエクスペンダブルズ解散のきっかけをつくる羽目になるのでカアイソウ。

 

【ドクター・デス】

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衛生兵出身の傭兵でエクスペンダブルズの初期メンバーであり最高の異名の持ち主。八年間投獄されていたところをエクスペンダブルズに救出される。常に目を輝かせておりチーム復活一発目の任務で堂々たる活躍を見せるが、まさかの一大事によりクビを宣告される。なんのために俺を出したんだ……とベッドの脇で腕を枕に横になる姿は悲哀に満ちている。

 

《新・エクスペンダブルズ》

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【ジョン・スマイリー】(画像左端)

ネイビーシールズ出身の無職で、現在はメキシコの地下格闘技場にて八百長ファイトに勤しんでいる。作戦中に仲間を失った傷を抱えているが、バーニーに見初められエクスペンダブルズ入り。エクストリームなライダーでもあり、戦場ではトリッキーに暴れまわる。

 

【マーズ】(画像中央左)

国防省で働く沖縄顔のエリート軍人。頭脳だけじゃなくボクシングの腕も最強。なぜなら演じるヴィクター・オルティスがプロボクサーだから。戦場ではショットガンを手に大暴れを披露する。

 

【ルナ】(画像中央右)

野外戦と近接戦を得意とする女戦士。ナイトクラブの用心棒をしており、喧嘩を始めた男どもを軽々とぶちのめした腕前を買われエクスペンダブルズ入り。演じるロンダ・ラウジーは本物の格闘家。北京五輪では柔道銅メダルだとか。落としてくれ。

 

【ソーン】(画像右端)

天才ハッカーでありアドレナリンジャンキー。バーニー隊長お得意のカチコミスタイルに呆れ、21世紀スタイルの作戦を提示してみせるIT革命家。戦闘時にはエレベーターシャフトを一生懸命のぼる。

 

【ガルゴ】

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スペイン軍出身のおしゃべり野郎。詐称しまくった履歴書を送りつけ、とにもかくにも求職する一匹狼。どさくさに紛れて半ば強引にエクスペンダブルズ入り。以前いたチームをクビになったとのことだが、そのあまりの躁っぷりに全メンバーが納得。一方で人が本当に孤独なときになぜかずっとそばにいてくれるという寄る辺キャラでもあり、その笑顔の奥にふと悲しい過去が覗いたり覗かなかったりするワケありマタドール。

 

《サポートチーム》

ボナパルト

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傭兵スカウトマンであり本人も元傭兵。愛する仲間のクビを切ったバーニー隊長に、選りすぐりの傭兵たちを推薦する。離婚歴あり。この人だれ?と思った方もいるかと思うが、『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』で青い知的獣人ビーストを演じていた俳優さんらしいです。離婚回数が多いため堂々参戦。

 

【トレンチ】

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バーニー隊長の永遠のライバルであり永遠のダチ公。自身も傭兵会社をもっているが、バーニー隊長の危機にはここぞというタイミングで現れる。前作でシーザーから借りパクしたAA-12フルオートショットガンを愛用。新チームで遠征に向かうバーニー隊長に付き合ってあげるなど、ふたりの関係はより親密さを増している。

 

【イン・ヤン】

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前作までバーニー隊長のチームに所属していたが、今作ではいつの間にかトレンチの会社に転職していた銭ゲバドラゴン。かつての同僚であったよしみか、トレンチ隊長と共にエクスペンダブルズメンバーへの加勢に現れる。バーニー隊長におけるクリスマスのように、現在ではトレンチ隊長における愛人と化している。

 

【マックス・ドラマー】

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CIA野郎。前作までエクスペンダブルズに仕事を斡旋していたチャーチ(ブルース・ウィリス)に代わってメンバーに仕事を依頼する。依頼を一度失敗したバーニー隊長に二度目のチャンスを与えるのみならず、殴り込みにまで加勢してくれる気のいい高血圧オヤジ。ヘリを操縦して空からミサイルの雨を降らせる。

 

《敵》

コンラッド・ストーンバンクス】

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エクスペンダブルズの初期メンバーであり、16年前、CIAからの依頼を受けたバーニーと死闘を繰り広げ死んだかに思われていた……が現在は違法兵器を売りさばく大物武器商人として暗躍。エクスペンダブルズの襲撃をかいくぐり、お土産としてシーザーをライフルで狙撃&メンバーを空爆。バーニー隊長の心に深い傷を与える。愛銃は50口径の弾丸を使用する最強リボルバーS&W M500。若造を眼力だけで沈黙させたり、一国の軍隊を好き勝手に使ったりと凄みが暴走している悪党でもある。本人も元エクスペンダブルズだけあり高い戦闘能力を所有。キレのある後ろ回し蹴りは必見だ。

 

 

 

《えいがのかんそう》

 『エクスペンダブルズ』大好き。どれくらい好きかというと、両手を広げても足りないくらいで、前作は劇場で2回観たほどです(自慢する回数でもないですね)。さて、今回の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』ですが、まずタイトルが長い。前作までは『2』とかつけるだけでよかったのに、今回は『ワールドミッション』と打たなくてはなりません。映画会社がそこまでした理由は、本編をみれば一目瞭然です。世界中を飛び回るから!!!

今回の敵はメル・ギブソン。ハリウッドきっての暴れん坊で、ユダヤ系からアフリカ系、女性、同性愛者まですべてを敵に回すような悪いお酒の飲み方をする人ですね。みんなに嫌われている札付きのワルといったところか。一方で映画作りの才能は凄まじく、近年はその方向で活躍していたように思います。才能はものすごくあるし魅力的なので、スタローンは今作に誘ってあげたのかもしれません。スタローンは『エクスペンダブルズ』という部活のキャプテンなので、前二作では荒くれ者揃いの部員をまとめ、大運動会を開催しましたが、そのときに体育館裏でタバコを吸っていたメル・ギブソンのこともちゃんと気にかけていてあげたのでしょう。

また、活を立ち上げる際に共に夢を語り合っていたのに給食費未納で停学処分を受けていた仲間、ウェズリー・スナイプスに関しても、ほとぼりがさめたのを機に入部させてあげています。スタローンキャプテンのやさしさ、義理がたさが感じられて胸をうたれました。また、みんなに迷惑をかけたスナイプスも、本編内で部員のみんなに謝辞を述べていたし、みんなも「いいよ」と許してあげていたので、友情は素晴らしいと思いました。

一方、掛け持ちしている部活の遠征で参加できなかった(ということにして!)ブルース・ウィリスの代わりに、ハリソン・フォード先輩がきてくれました。先輩が意外にもノリノリだったので、ぼくも嬉しくなりました。

また、ひょうきんなことで有名だった隣のクラスのアントニオ・バンデラスまでもが入部し、部活動のさらなる盛り上がりに貢献していたところもよかったです。部活動中にも関わらずボーイズトークをやめないバンデラスですが、彼の話をちゃんと聞いてあげるスタローンキャプテンはさすがだなと思いました。またアクションの面でも、『デスペラード』シリーズで演じていたエル・マリアッチスタイルで敵を掃討するところも、おいしいなと思いました。

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今回は、メンバーのひとりが大怪我を負ってしまい、チーム編成に問題を感じたキャプテンの判断から、これまでのレギュラーメンバーが下ろされてしまいます。みんな楽しかった日々を思い、失意に暮れて、することのなくなった放課後をダラダラとすごしていました。自主練に励む者、他の部活を眺めて涙を浮かべる者、不貞寝する者、物に当たる者など、反応は様々でしたが、自分だけ楽しいことに誘ってもらえなかった男子のいじけっぷりがみごとに表現されていたと思います。勝手に仲間外れにされるのも嫌ですが、ちゃんと断られてから外されるのもしんどい。本当は大好きなのに、「しね!」とか思ってしまいます。

キャプテンは活きのいい一年を集めるために部員勧誘の旅にでます。そこで新たに四人の部員を得るのですが、みんな元気なあまり、先輩に対しても失礼な口をきいたりするので、キャプテンは遠い目をします。でも怒ったりはしません。意見に耳を傾け、うんうん、それいいねと採用までしてくれます。野蛮な上下関係はなく、みんなで楽しく過ごすのが大好きなキャプテンならではの反応だと思いました。そんなこんなで活動は大盛り上がり。大運動会に突入していくのです。みんな楽しそう。ぼくも嬉しい。ああ、幸せ!

 

 

 

と言いたいのは山々なのだが……

 

 

 

《夢を書いたテストの裏》

正直なことを言えば飛び散る血が見たかったし(全年齢で鑑賞できるようにとの配慮から省略)各登場人物のキメ画もほしかったし(監督は今回テンポを重視し、キメ画は不要だと踏んでいた様子)、「楽しんで、ぶっ殺す」という今シリーズの魅力でもある不謹慎さが激減していて肩透かしを食らったのも事実。序盤もこれまでと比べて血圧が低めなので、もういっそのこと予告で使われていた『猿ゴリラチンパンジー』銃声リミックスを流しながらメンバーが登場するとかそういうケレン味がほしかった。「うわ!またあいつらの暴虐が観られる!」というスイッチが入らないまま、まあまあのアクションを観せられているので若干眠くなる……ところもあった。そもそも画面に映っているのはそういうぬるさからは程遠いハードコアな連中なんだから、血とか手足が宙を舞う野蛮な映画を期待してしまうのも仕方ないし、そういうゴア描写が嫌いな人は始めらかこのシリーズを観ないはずだ!いや!そうも言い切れないところはあるけど、だがしかし、要はこの映画のストーリーと同じように「新しい奴らと組むからごめん……」的な距離をぼくは感じてしまったのかもしれない。そんな自分はキモいが、それくらいわかっている。だからぼくはステイサムがテレビを壊したように、こうやってブログを書きながらいじけているのだ。実はスタローン自身、今作のぬるさを反省しているらしく「そもそも俺たちの映画を若い奴が観に来るわけがねえ!」と『4』を原点回帰のR指定映画にするらしいから次も必ず観るぜ!まあいろいろ書いたけど、ぼくらは本当は大好きな相手に「しね!」って言っちゃうような青い生き物なのだ……。そしてスタローンキャプテンは許してくれる。はず!まあいいや!

『エクスペンダブルズ』最高〜〜〜!!!

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※『エクスペンダブルズ』シリーズは必ず打ち上げシーンで終わるけどそれって『ONE PIECE』の「宴だ〜〜〜!」に似てますね