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4月公開劇場鑑賞映画『皆殺しのバラッド』『海にかかる霧』『コワすぎ!【最終章】』『ワイルド・スピード SKY MISSION』『インヒアレント・ヴァイス』『セッション』の感想

 

五月になりました。ゴールデン・ウィーク、いかがお過ごしですか。ぼくはなんだかんだ、4月公開映画を結構鑑賞してきました。これまでのように一本一本感想を書きたいところなのですが、虚しいことにここのところ意気が上がらない。さらにパソコンも不調続きで、キーボードを叩いた数秒後に文字が表示されるといういっこく堂状態なので本当に憂鬱。夢の中で走っているときのようにうまく進められず、ストレスフル。そこで今日はこの場で一気に短い感想を書き連ねていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

 

『皆殺しのバラッド』

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前売り券を使い渋谷のシアター・イメージフォーラムで鑑賞。メキシコ麻薬戦争の現状を、日々命懸けで取り締まる警察側と、ナルコ・コリードというギャング賛歌で彩る歌手側の両方に焦点を当てて追ったドキュメンタリー。鑑賞後残るのはなんといっても警察側の途方もなさ。「ここはぼくの生まれ育った街だから」と言いながら次々と同僚が殺されていく中、事件現場には報復対策のために覆面を被って捜査しなければならないという現状に愕然。一方、ナルコ・コリードを歌う歌手は女の子にもモテモテ。カルテルのパーティに招かれて曲を披露しては、ゴリゴリの装飾が施された45口径をプレゼントされるなど絶好調。徹底して光がない。麻薬カルテルの規模がでかくなりすぎるばかりか汚職も横行、まともに機能していない警察組織の中で、それでも戦うことをやめない警察の姿がせめてもの救い……といいたいところだけど、あまりにも絶望的すぎる戦況なのでひたすら暗い気持ちになりました。『ランボー』の新作ではあの大量破壊兵器ジョン・ランボーが麻薬カルテルとぶつかると言われているし、現実においても大麻合法化の流れが生まれて麻薬カルテルにお金を流さないようにするなどの動きがあるそうです。『悪の法則』とセットで鑑賞することをおすすめします。

 

『海にかかる霧』

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前売り券を使ってTOHOシネマズ新宿で鑑賞。あの傑作『殺人の追憶』で脚本を担当していたシム・ソンボの初監督作品。共同脚本と制作を担当するのは『殺人の追憶』、『グエムル』、『スノーピアサー』のポン・ジュノ。韓国の貧しい漁師たちが中国から朝鮮族を密航させる裏仕事に手を染める。初めはカップラーメンを振舞ったりと穏やかな交流が繰り広げられていた船内だったが、海洋警察の調査をかいくぐるためのある行動から惨劇が始まる、という話。ある程度覚悟はしていたけどここまで凄惨な話だったとは……。「この船ではおれが大統領だ!」と最高の言葉を吐く船長を演じるのはキム・ユンソク。『哀しき獣』では原始人級に野蛮で無敵の朝鮮族リーダーを演じていたことでも記憶に新しいあのオッサン。後で知ったことだけど、主役を演じていたパク・ユチョンは元東方神起のメンバーらしいですね。アイドル主演映画にこの内容を持ってくるのは頼もしい限りだ。あとこの映画、登場人物の発狂率もなかなかなのだけど、中でも女とヤリたすぎて発狂する馬鹿は最高でした。当たり前のようにゲスが登場するのもいい映画の証左ですね。

 

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!【最終章】』

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渋谷アップリンクのサービスデイを利用して鑑賞。居候先のハンサムにお金を出してもらいました……。最高の男。『コワすぎ!』シリーズを最初に見たのは大学四年の頃。白石監督作の『オカルト』でとんでもなく衝撃を受けたぼくは、今シリーズを追い続けてきました。前作にあたる『劇場版』で異世界に飛んでしまった工藤Dと市川。1人残ったカメラマンの田代は現在東京の上空に現れた謎の巨人にまつわる噂を検証するためネットで動画配信を行っていたが、その最中に謎の男がどこからともなく現れて……ってお前は!『殺人ワークショップ』の殺人講師、江野くん!

sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com

異世界の住人らしき江野くん、「工藤Dと市川を助けたければこれからいうことを実効せい」と田代にナイフを突きつける。そうしてふたりのミッションが始まるのであった。 実は江野くん、先述した白石監督作『オカルト』にも登場した非正規雇用者、江野くんと同一人物。ということで今回の『コワすぎ!【最終章】』は全編『オカルト』コンビである宇野祥平さんと白石監督が東京中を彷徨うバディムービーとなっている。さながら『オカルト2』。あんなにクズで頼りなかった江野くんがここまで頼もしい男になっているというだけで涙が出ます。田代カメラマンのことを「白石くん」と呼んでしまう江野くん……。ラストの握手……。監督の非公式報告書によれば、今作の江野くんは『魔法少女 まどか☆マギカ』の暁美ほむらから着想を得ているそうで、よりグッときました。今作はもうDVDがレンタル開始されているそうなのですぐ観れます。

 

ワイルド・スピード SKY MISSION』

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前売り券を使ってTOHOシネマズ新宿で鑑賞。IMAX3Dで観たのでプラス800円かかりましたが、落下シーンが多いので3Dで観る意味もちゃんとあったように思います。今度の敵はジェイソン・ステイサム!ハゲ率上昇しすぎ。冒頭のステイサム登場シーンの『イコライザー』likeな事後演出で爆笑。今回から監督を務めることになったジェームズ・ワンはステイサムとともに今シリーズへの転校生組として最高の挨拶をかましてくれていました。掴みバッチリじゃん!その他アクション一つひとつのボリューム、完成度も異常。最強の悪役として登場したジェイソン・ステイサムvsドウェイン・ジョンソンなんて怪獣映画レベル。撮影と編集も巧みで、複雑な動きにも関わらずいまなにが起こっているのかもちゃんとわかる!ぼくはジェイソン・ステイサムのバネを感じる鋭いアクションが大好きなので、ロック様の丸太パンチに対する手数の多い反撃も最高でした。

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そのほかポール・ウォーカーVSトニー・ジャーミシェル・ロドリゲスVSロンダ・ラウジーなど、贅沢マッチの目白押し。キツめのメイクをしたロンダ・ラウジー、ブッサイクだったなあ……。「アクション映画で観たい画」の連続でテクノブレイク寸前のぼくは3D効果も相まって酩酊状態。相変わらず話は感動するほど雑だけど、ニトロ充填超加速的勢いで気にする暇もなし!そしてなにより素晴らしかったのはラスト。今作の主役のひとりであり、撮影期間中の交通事故によりなくなったポール・ウォーカーへのはなむけ場面。正直言って今シリーズにめちゃくちゃ思い入れがあるというわけではないぼくですが、これでもかと感極まってしまいました。イオンシネマ無料券が一枚あるので、『クレヨンしんちゃん』に使おうかと思っていたんですけど、『SKY MISSION』再鑑賞もアリかなと思っています。

 

『インヒアレント・ヴァイス』

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5月1日のファーストデイにヒューマントラスト渋谷で鑑賞。トマス・ピンチョン作品は一冊も読んだことがありません……。でも監督がポール・トーマス・アンダーソンだし……というミーハー精神で挑みました。大麻を吸ってばかりのラリラリ探偵が元カノの依頼を受けて大富豪の身辺を調査するというのが大筋の物語。たぶん。この映画、全編謎の多幸感、優しさ、言うなれば愛に溢れているように感じられて、ぼくもなんだかピースフルな気持ちに。70年代最高。ここのところ鬼気迫ってばかりいたホアキン・フェニックスの終始脱力した演技。ジョシュ・ブローリンの野蛮なギャグ。悪い奴はたくさん出てくるんだけどどこかみんな能天気。「内在した欠陥」というタイトルが指すもの。どういう話だったか話せと言われても困るけど、「なんだか愛に溢れていた」という感覚だけは強く残る不思議な映画。大麻を吸ってラリっているときって、もしかしてこんな気分なのかな?そう思わせるラリラリ映画。お酒を飲みながらDVDでゆっくり鑑賞し直したい味わいでした。原作を読めばこの映画の凄さが改めて感じられそうな気もします。読もうかな……ピンチョン。

 

『セッション』

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席が埋まっていることによる鑑賞断念を二度経験し、ムビチケ前日予約によりようやく鑑賞。TOHOシネマズ新宿にて。鬼教官によるシゴキを受けながら腕を磨く音大ドラマーのお話。とにかくこの鬼教官フレッチャーが最高。理不尽な詰問から、血管の浮くスキンヘッドやぴっちり黒Tから覗く太い二の腕による威圧を駆使してとにかく学生を打ちのめす。差別用語上等どころか、何気ない雑談の中で得た個人情報も利用して相手をボコボコにするサイコ野郎。ぼくが大学時代にバイトしていた飲食店の店長も、和気あいあいとした雑談の中でぼくから引き出した個人情報を説教の中に織り交ぜてくる悪魔だったので、もう目が離せない。主人公のたるんだ顔が後半に進むにつれジャンキーのような凄みを獲得する点もすごい。そもそも主人公は「偉大になりたい」という欲求のジャンキーなので、ラストのあの破壊衝動の炸裂にも似たドラミングには圧倒。まるでバイオレンス映画を見たあとのような身体の強張りが得られるところも原題の通り。親戚と一緒にご飯を食べる場面の「このわからずや軍団!てめえら見てろよ!」という描き方も秀逸ですね。

 

 

 

以上です。思いのほか長くなってしまいました。

 

それじゃあまたね!楽しいGWを!