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ドラマ版『ハンニバル』を観た(season3)

 

 

 

 

 

残酷で陰鬱でリッチなドラマ『ハンニバル』 にどハマリしたぼくは、変に間をあけてはならぬと意気込み、世に言うIkkimi(一気観)を敢行したのであった!

 

【警告】以下ネタバレあり

 

season1~2までのあらすじ

 

FBIアカデミーの講師ウィル・グレアム(ヒュー・ダンシー)は、自閉症スペクトラムの一種として異常なまでの共感能力を有していた。そんな彼の能力を買ったFBI行動分析課のボス、ジャック・クロフォード(ローレンス・フィッシュバーン)は、アメリカ各地で起こる事件の捜査協力者としてウィルの起用を提案する。しかしFBIコンサルタントで元心理学者のアラーナ・ブルーム(カロリン・ダヴァーナス)は精神的な負荷を懸念してウィルの起用に反対。そこでジャックは起用の条件として、高名な精神科医ハンニバル・レクター博士(マッツ・ミケルセン)にウィルの精神鑑定を依頼。かくして全米各地で起こる猟奇事件の捜査が始まるのだった。

 

sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com

 

しかし、最強極悪サイコパス・レクターの策略により殺人の容疑をかけられたウィル。彼は拘留中の身でありながら殺人事件を解決に導いたり対レクター用サイコパスを送りつけるなどして善戦。なんとか無実も証明されて釈放となった彼は、いよいよレクターと全面戦争を始める……かと思いきや、そこに食肉加工会社を経営する変態大富豪メイスン・ヴァージャーが登場。ウィルは彼の妹マーゴを妊娠させたり、どういうわけかレクターと蜜月の時を過ごしたりと大忙し。挙句の果てにはレクターといっしょに海外へ逃亡しようとの計画も動き出す。バカ!しっかりしろよ!しかしすべてはレクター逮捕のために仕組んだ作戦だった。決戦の夜、FBI捜査官のジャックとレクターは激しく殺し合い、それを目撃したアラーナはレクターに篭絡されたアビゲイルに二階から突き落とされ、遅れて駆けつけたウィルもレクターの華麗な手さばきで開腹、追い打ちをかけるように目の前でアビゲイルの首まで裂かれてしまう。

 

sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com

 

まんまと逃げおおせたレクター博士は、海外行きの飛行機の中で、かつて自らのセラピストだったベデリアと談笑するのだった……。

 

レクター逃亡編

 

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第1話『アンティパスト』

フランス・パリ。ハンニバル・レクターは身分を偽り生活していた。しかも優雅に。彼はローマン・フェルの出版パーティに出席。そこでローマンの助手だったというディモンドという青年に出会う。レクターはパーティの後、帰宅するローマンを殺害しその肝臓を食べる。

イタリア・フィレンツェ。前任者を排除することでカッボーニ宮の司書となったレクター。周囲にはデベリアを妻と説明し、高慢な教授に喧嘩を売られつつもその圧倒的知力をもって応答。穏やかな日々を過ごしていた。しかしそこで、フランスで出会った青年ディモンドと再会。協力し合えるはずだと持ちかけてくる彼を、レクターは食事に誘い、ベデリアの目の前で殺害。皮膚を剥がし、その遺体で「人間の心臓」を象ると、礼拝堂に飾るのだった。

 

おい、レクター!

ということで外国逃亡中も次から次へと人を殺し食すハンニバル・レクター。しっかり職に就いているという点からもその常軌を逸したバイタリティがうかがえます。なめた若造を殺害するまでは百歩譲るとしても、派手に装飾して人目につく場所に飾っちゃったらFBIは絶対気づくと思うんですけど、リスクをおかしてどうなるか、どう逃げおおせるかを考えるのが好きなんでしょうね。それともほかの意図が……?前シリーズのラストでめちゃくちゃにされた面々の安否が不明なのが気になるところです。

舞台をヨーロッパに移したことで全編厳かな雰囲気漂うあたりも癪に障りますね。

 

 

第2話『プリマヴェーラ目を覚ましたウィル。裂かれた腹は、レクターが致命傷にならないよう加減していたことを知る。イタリア・フィレンツェの「心臓」が飾られていた礼拝堂を訪れた彼は、これがレクターから自分に捧げられたメッセージだと察しとる。一方、イタリアのパッツィ捜査官は、レクターの犯行から20年前フィレンツェを震撼させた殺人鬼「イル・モストロ」と同一犯であると推理。ウィルに捜査協力を求める。

 

待ってました、我らがウィル・グラハム!

復活して早々にイタリア・フィレンツェを訪れ得意の見立てを披露していました。骨を砕き、皮を剥いで綺麗にたたまれた「心臓」がレクターから自分へのメッセージ。そんな彼を「許す」というウィル。なんだかラブストーリーのそれですが、アビゲイルも殺されているんだし、ちゃんと厳しく接してほしいものです。

 

 

第3話『セコンド』ウィルはレクターの故郷であるリトアニアに向かい、そこにある古城でひとり暮らす千代(TAO)と出会う。彼女はレクターの過去を知っている人物であり、地下にひとりの男を監禁している。一方レクターは無秩序モードに突入、喧嘩をふっかけてきた教授を食事に招くと、人肉を振るまい、そのこめかみにアイスピックを突き立てる。パッツィ捜査官はFBIのジャックに捜査協力を依頼し、イタリアまで呼び寄せる。

 

レクターの過去を調べるウィルの目の前に現れた千代。演じるTAOさんは『ウルヴァリン:SAMURAI』 ウルヴァリンと逃避行する女性だったり『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』 レックス・ルーサーの秘書を演じていた方です。ハンニバル・レクターといえばおばさんが「紫」という名前の日本人なのでその人の子供か孫か親戚とかでしょうか。

一方、満を辞してジャックの登場です。生きててよかった。元気そうなのもそうですけど、すっかり「虎の目」になっていたところも痺れますね。

イタリアに集う主要メンバー。嵐の予感がします。

 

ハンニバル・ハント編

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第4話『アペリティーヴォ』チルトン博士は生きていた。レクターへの復讐に燃える彼は、同じくレクターに顔をめちゃくちゃにされた大富豪メイスン・ヴァージャーのもとを訪れ、顔の傷を見せ合う。メイスンはレクターの情報に100万ドルの懸賞金をかけたという。コーデルという変態医師に身の回りの世話を任せ、ハンニバル狩りの用意を進めていた。同じく重傷を負ったアラーナも、レクターへの復讐のためメイスンのもとを訪れる。

 

第5話『コントルノ』ウィルは千代とレクター探しの旅に出るが、列車で移動中に彼女に突き落とされ大怪我を負う。パッツィ捜査官は大金目当てにメイスンにレクターの情報を売る。前金の条件として、レクターの指紋を持って来くるよう指示を出すメイスン。レクター博士に接近するパッツィ捜査官だが、狙いを見破られて昏睡状態に。目が覚めるとレクターに腹を裂かれ、紐で結ばれた状態で窓から落とされ死亡。撒き散らされた臓物を見下ろすレクターは、こちらを見上げるジャックの姿を見つける。ジャックの容赦なき暴力を受け、満身創痍のレクター。窓から突き落とされるが、足を引きずりつつ逃亡を図る。

 

第6話『ドルチェ』千代は単独でレクターを捜索。べデリアに接触を図り、私たちはレクターに囚われた鳥だと話す。ウィルはレクターと再開。レクターは喜びを口にするが、ウィルは隠し持っていたナイフでレクターを狙う。そんなウィルを狙撃する千代。レクターは治療に見せかけウィルを拉致すると薬を打って椅子に固定、食卓につかせる。一方、教授宅を訪問しようとしていたジャックがドアを開けると拘束されたウィル。レクターに隙を突かれ拉致されたジャックも同じように椅子に固定。ジャックの目の前でウィルの頭蓋骨を切開し、脳を披露すると告げるレクター。叫ぶジャック。

ウィルが目を覚ますと、そこはメイスンの牧場だった。

 

第7話『ディジェスティーヴォ』メイスンに買収された捜査官たちに踏み込まれたレクターはそのまま捕まる。同じく連れて行かれるウィル。残ったジャックに銃を向ける捜査官だったが、千代による狙撃で難を逃れる。一方、メイスンに拉致されたレクターは、変態医師コーデルに烙印を押され、自身の調理過程を説明される。メイスンはウィルの顔面の皮膚を自らに移植し、その顔でレクターを食す計画を立てていた。メイスン邸で再会するウィルとアラーナ。アラーナはウィルを救うため、レクターを解放する。メイスンが麻酔から目覚めると、顔面にはウィルのものではない皮膚がかぶせられていた。目の前には妹マーゴとアラーナ。ふたりはメイスンから精液を採取したことを告げると、水槽に突き落とし、ウツボに食い殺させるのだった。ウィルを連れて逃げおおせたレクター。自宅で目覚めたウィルは、そばにいたレクターに対し、「もうあなたのことを考えたくない」と告げる。その後現れるFBI。逃げたと思われていたレクターは自ら投降する。

 

レクターにひどいことをされた面々が集っての復讐大会。

金と暴力にものをいわせるメイスン。

「二度目はそうはいかない」とばかりに知略を巡らせた容赦のない攻撃でレクターをボコボコにしてみせたジャック。

肝心のウィルは……千代に邪魔されたあげくに開頭されかけ、さらには顔の皮まで剥がされかける始末(ぜんぶ未遂)。傷だらけのヒロインって感じでしたね。一連の話は映画『ハンニバル』 でも描かれていたものですが、メイスンのたどる結末に関しては原作通りみたいです。

そんなこんなでウィルにふられてしまったレクターは、ついに逮捕されます。これまでに一体何人の犠牲者が出たのやら。ここからはいよいよ映画で描かれてきたような、安楽椅子探偵ライクなレクターが拝めそうで、一安心です。

 

 

レッド・ドラゴン

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第8話『レッド・ドラゴン~序章~』

フランシス・ダラハイドという男がいた。彼はウィリアム・ブレイクの水彩画『大いなる赤き竜と日をまとう女』に並ならぬ執着を示していた。彼は自らの背中に「赤い竜」のタトゥーを入れ、乱杭の入れ歯を手に入れる。 

殺人鬼ハンニバル・レクター逮捕から3年。彼は大勢の人間を殺害下にも関わらず、精神異常を理由に死刑を免れていた。ウィルは結婚して家庭を持ち、たくさんの犬たちといっしょに穏やかな日々を送っている。そんな中、「噛みつき魔」による殺人事件が立て続けに発生する。ジャックは操作協力を求めるためウィルのもとを訪れる。同じ頃、ウィルにはレクター博士からの手紙が届いており、そこには「ジャックに協力するな」との内容が書かれていた。しかしウィルは、妻の後押しもあり、捜査への協力を承諾するのだった。

 

ついに 映画化もされた『レッド・ドラゴン』編に突入です。

身持ちを固めたウィルと、精神病院でも相変わらずのレクター。捜査に乗り出すにあたって、ふたりは久々に再会するとのことですが、嫌な予感しかしません。ウィルに家族がいるなら尚更です。

一方で、「噛みつき魔」ことダラハイド。しっかり身体を鍛えているのは、どういうことなんでしょうか。タトゥーを綺麗に見せるためなのでしょうか。変身願望のある人物なので、そういった心理から鍛えているのかもしれません。ぼくも嫌なことがあった日のあとは、髪を切ったりお風呂に入ったり筋トレしたりと、自分を「更新」させるのでなんとなく気持ちがわかる気もします、という余談。

 

 

第9話『レッド・ドラゴン~誕生~』

レクターは面会に現れたウィルに子供がいることを見抜く。レクターのプロファイリングによれば、犯人は内向的な性格で、醜い容姿、あるいは自らを醜いと思っている人物。被害者一家の選別に関しては、家にヒントがあるはずだ、庭に注目してみるといい、と助言した。「噛みつき魔」ダラハイドは、盲目の女性と惹かれあう。

 

映画と同じように物語が進んでいくので、思い出しながら楽しんでいます。ダラハイドと女性の物語は結構切なかった気もします。孤独な魂が共鳴して、そこにひとつの美しい瞬間が生まれるのであれば、それはそれで物語としてひとつの完結を迎えたっていいとぼくは思いますが、残念なことにこの世界にはレクターがいるんですね。混沌をもたらして楽しむという、その実子供っぽすぎる幼稚な欲求に辟易します。ダラハイドもレクターなんかを崇拝しなければ……。

悔やまれます。

 

 

第10話『レッド・ドラゴン~覚醒~』

弁護士を名乗ってレクターに電話をかけるダラハイド。彼は「あなただけが理解者だ」と述べる。盲目の女性リーバと動物園へ向かったダラハイドは、彼女に麻酔で眠らされた虎に触れさせる。涙を流すリーバ。彼女を自宅に招き、愛を深め合う二人。ダラハイドにはリーバが女神に見えていた。事件現場の庭の樹に刻まれていた「中」の文字。それは「レッド・ドラゴン」を意味すると伝えたウィルに、レクターはウィリアム・ブレイクの絵の話を伝える。さっそくウィルが実物を見に美術館に赴くと、そこには先客のダラハイドがおり、揉み合いの末に逃げられてしまう。

 

やはりダラハイドとリーバの関係は切ないですね。後半ではまさかのウィルとダラハイドがエンカウント。ウィルはぶん投げられていました。やはり体を鍛えていることもあって、ダラハイドはフィジカル面でも強敵なのかもしれません。

 

 

第11話『レッド・ドラゴン~葛藤~』

レクターの誘導により、ダラハイドはウィル家を襲撃する。ウィルの妻はいち早く気配を察知し、息子を連れて逃走。間一髪で逃れられたかと思いきや、肩に被弾してしまう。

 

でましたね、レクターの悪行。しかしウィルの奥さんが肝っ玉母さんでなによりでした。とはいえ重傷を負い、息子は父の過去を知ってしょんぼり。散々です。

残すところあと2話。この時点ですでに映画とは違う「レッド・ドラゴン」との決着のつけ方に期待が高まります。

 

 

第12話『レッド・ドラゴン~暴走~』

家族との絆に危機感を覚えた ウィルはベデリアのもとでセラピーを受ける。FBIは雑誌に扇情的な記事を書くことで、「レッド・ドラゴン」を誘い出す計画を立てる。協力者でもあるチルトン博士だったが、ダラハイドによって拉致される。拘束されたチルトン博士はダラハイドからさんざん脅迫を受けたあと、唇を噛み切られ、生きたまま焼かれてしまう。

 

チルトン博士はこのシリーズ一不憫です。かつては殺人鬼に腹を割かれて臓器を取られ、レクターに罪をなすりつけられた挙句に顔面を銃撃されたかと思えば今回の仕打ち。あんまりですね。すべてはレクターが醸すバイブスとそれに感化された周囲の責任。ということで相変わらずハンニバル・レクターへの怒りに燃える回でした。にも関わらず、ウィルはといえばレクターからの愛に気づいてハッとするなどずいぶんと暢気なものです。

ということでついに次回で最終話。大団円と行くのでしょうか。 

 

 

第13話『羊の怒り』

殺人を犯したことをリーバに告白し、ショットガンで自らの頭を吹き飛ばしたダラハイド。しかしそれは彼の偽装工作だった。レッド・ドラゴンを捕まえるため、レクターを囮とした作戦を実行するウィル。レクターの移送中、警察用車両に乗ったダラハイドが急襲。警察官を大勢殺害するが、肝心のレクターは放置。ウィルとレクターは逃避行を開始する。向かった先はレクターがアビゲイルと身を寄せ合っていたという別荘。ワインでの乾杯を前に、ダラハイドが再び襲撃。腹に被弾したレクター。ナイフで頬を突き刺されたウィルは反撃に出る。レクター&ウィルの必死の攻撃によって「レッド・ドラゴン」ことフランシス・ダラハイドは絶命。満身創痍のふたりは、抱き合いながら崖下の海へと落ちていくのだった。

 

最終回ということもあって「レッド・ドラゴン」の恐ろしい戦闘力が発揮されていました。ドライブバイで車列を混乱させたあと、いったい何人の警官を射殺したのでしょうか。なんにせよ、そこから始まるウィル&レクターの逃避行に愕然。なるほど、というか最初の方からずっと気づいていましたが、作り手は今作を倒錯したラブストーリーとして描いていたようです。そういう意味ではジジイの目線で見た『殺し屋1』 みたいなもんですね。仲違いばかりしていたふたりが、最後の最後に協力して恋の邪魔者をボコボコにする。美しいと思います。

 

 

 

全話完走の感想

 

は~終わった!

ということで『ハンニバル』season3もこれにて終了。打ち切りだなんだという噂は耳にしていますが、このラストを見ると初めから終わらせる気満々だったようにも思えます。撮影中に打ち切りが決まったからこのオチにしたとかそういうことでしょうか?どちらにせよ、物語的なオチもついてぼくは満足です。

全39話を鑑賞したことになるのですが、season1の「びっくり猟奇大会」みたいなテンポが個人的には好みですね。様々な死体を見ているだけで元が取れる、といった気持ちになれました。レクターに厳しくしろ!との思いはモーフィアスことジャック・クロフォードが代弁するかのように熾烈な暴力をお見舞いしてくれたのである程度満足です。それにしてもseason3の最終話のタイトルが『羊の怒り』ということなので、どうしたって『羊たちの沈黙』 を意識せざるを得ません。やはりseason4の制作は念頭に置いていたのかも。噂では、いろいろと準備さえ整えばseason4だってやるよ、と製作者の方がおっしゃっていたそうなので、俄然期待しておきます。それまではトマス・ハリスの原作 でも読もうかな。クラリス役は誰になるのでしょうか、とかそういうことを考えながら、準備を整えておきましょう。

バッファロー・ビルのチン隠しダンスは絶対観たい!!!