ジェームズ・ガンにありがとう/『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

 

 

f:id:sakabar:20170516084209j:plain

 

僕はジェームズ・ガン監督が2010年に撮った『SUPER!』という映画が大好き。オールタイムベストを聞かれるとまずこの映画が浮かんでくる。

 

「人生で完璧だった瞬間が2つある」という冴えない中年男が、そのうちの1つである最愛の妻を地元のドラッグディーラーに寝取られたことから自警行為(という名の暴力行為)に乗り出すというヒーロー映画だ。この作品から、「完璧な瞬間」というのは漫画における「コマとコマの間」にだって山ほど詰まっているというメッセージを受け取った当時大学生の僕は、三日三晩泣き続け、バイトを辞めた。バイトを辞めたのはかねてからの予定通りだったけど、この映画のことを思い出すとき、決まってバイトのことが脳裏をよぎる。当時の一番の悩みだったからだ。あらゆることに見て見ぬふりを続けるあのころの僕の痛みに、この映画は寄り添ってくれた。

 

そんな『SUPER!』を撮ったジェームズ・ガン監督が、あのMCUに参加するというニュースを耳にしたときは、もう飛び上がるくらい嬉しかった。MCUはリアルタイムで追っていたし、そこにあのジェームズ・ガンが!彼の出世が嬉しくて仕方がない。ということで2014年に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が公開。映画は見事大ヒットを収めた。僕はサントラも買って毎日聴いていた。どうしても働きたくなかった当時の僕が重い足を引きずりながら派遣アルバイトに行ったり行かなかったりをしていた時期だ。『Awesome Mix vol.1』を聴きながら集合場所である知らない街の駅前に向かい、挨拶もそこそこに距離をとり合うバイト・スクワッドたちと一緒にいると、「まるで銀河のならず者集団だな」と思えた。

 

そしてその続編である『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』がついに公開された。今回もオープニングが最高で泣いてしまった。でもなにより、ジェームズ・ガンは今作でもやっぱり優しかった。その優しさに触れ、泣いて、僕は劇場を後にした。

 

今作はべらぼうにいい。ジェームズ・ガン監督の、孤独や傷を負った者たちに対する優しい目線が満ちていた。本当に欲しかったものは、とっくに手に入れていたなにかかもしれない。痛みの先を一緒に眺めてくれる、そんな確かな温度がこの映画にはあった。

 

悩みも欲望も尽きない、なんでもない人間のひとりとして、僕はこの映画を愛するし、引いてはこの映画を作り、発信したジェームズ・ガン監督に感謝してやまない。ほんとうにありがとう。どうせこれからも最低な気分に何度も沈むであろうこの僕を、また助けてください。どんどん遠慮なく助けてください。助けられ慣れてますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。

 

 

f:id:sakabar:20170516184735j:plain