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今度は大学!予算もたくさん!/『22ジャンプストリート』

『21ジャンプストリート』の続編がついに日本上陸。

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ソフトスルーなのは前作同様で納得の行かない気持ちもあるわけだけど、とにもかくにもまたあいつらに会えるんだね。というのもぼくは前作『21ジャンプストリート』が大好きなのだ。ここで前作の素晴らしかった点をおさらいしてみようと思う。
 
頭はいいが身体能力はいまいちな元いじめられっ子のデブ(ジョナ・ヒル)と、身体能力はずば抜けているのに逮捕時の「ミランダ警告」すらまともに暗唱できない脳筋いじめっ子のジョック野郎(チャニング・テイタム)が互いの欠点を補いつつ、新型ドラッグが猛威を振るっている高校に「高校生として」潜入、大暴れを繰り広げるというバディムービー。意外とすぐ仲良くなってしまうふたりのホモソーシャルなじゃれあいだったり、ドラッグでラリった際のトリップ描写が愉快かつキモかったりと、次々と繰り出されるギャグも最高だ。でもこの映画のよさはほかにもある。かつて通っていた高校ではいじめっ子といじめられっ子という関係だったふたりが時を経て流行りや文化の変わった現代の高校だと立場が逆転したり、当時自分が理解を示せなかった対象への理解を深めてみたりと「欠落した青春時代へのリベンジ」みたいな側面があって胸が熱くなったりもした。まさか「ミランダ警告」の暗唱なんかで泣く日が来るなんて思ってもみなかった。カメオ出演する大物ゲストの扱いも最高だし、脳筋バカを愛らしく演じてみせたチャニング・テイタムにベタ惚れしてしまった一本でもある。あんなに感じのいい体育会系みたことない!ぼくは椅子に拘束された体育会系に電気が流れるというボタンが目の前にあったら明日の朝食のことを考えながら連打することのできるサイコパスだけど、チャニング・テイタムだったら絶対に押せないと思う。『マジック・マイク』も素晴らしかった。『ホワイトハウス・ダウン』も最高!
 
そして続編である『22ジャンプストリート』。
 
今回始まって早々にアイス・キューブ演じる警部が「前作と同じパターンでいく」ことを堂々宣言。新しいことなんて別に誰も求めてねえよといった開き直り精神で、舞台を大学に、予算も増量した状態で、大まかなプロットはあえて前作と同じパターンを踏襲して進んでいく。今回も『ワイファイ』という新型ドラッグの調査のため大学に潜入したふたり。大学といえば『ネイバーズ』でも描かれていたように高校以上にチャランポランが跋扈する場所。そして今回大学側に順応するのはなんと脳筋テイタムの方なのである。ズーク(演じるはカート・ラッセルの息子!)というアメフト部員と仲良くなったテイタムは彼の所属するフラタニティにも歓迎されるが、セットでついていったジョナ・ヒルはやんわりと冷たい対応をされてしまう。この一件でふたりの関係に溝ができてしまうのだけど、前作における「エコサブカル野郎がヒエラルキーの上位に君臨する現代の高校ではかつてのいじめられっ子のほうが順応する」という捻りのある展開とは違って、イケイケチャニングがイケイケと仲良くなったというシンプルなものに。ジョナ・ヒルが普通にハブられてる!あんまりだ!
 
余談だけどこの男同士の切ない関係性というものにはぼくも覚えがある。ぼくは高三のころ、野球部のキャプテンだった男と超仲良くなった。その友達は野球部キャプテンでありながらも野球部の中では「面白いけどイケてないやつ」として認知されていて、高三で引退を迎えたあとに襲いかかってきたイケイケ部員たちの冷たさに苦しんでいたのだ。ぼくは彼と他数名の友人で放課後に集まってはトイレットペーパーをズボンのベルトに挟んでタグラグビーのようなことをして過ごしていた。一緒に保健委員が企画したエイズデーの劇にも参加したし、休みの日だって楽しく遊んだ。そんなある日、彼のもとにかつての野球部員たちからお誘いのメールが届いた。そのとき友達は、この日を待っていましたと言わんばかりに、嬉しそうに野球部員たちと出かけて行ったのだった。ぼくは帰ってオナニーをして寝た。そんなことを思い出した。
 
でもこの展開にだって意味がある。これはふたりが真の相棒になるための大事な過程なのだ。一度距離を置いたふたりが互いの必要性に気づき、無敵のコンビとなって新型ドラッグの摘発に乗り出すのだ。こんな感じでブロマンス濃度が前作よりもアップしている今作は、最後の最後でアメリカにおける大学生の祭典スプリングブレイクで大暴れをかます。エンドロールまで過剰な盛り込み様なので、是非ともみんなで酒を飲みながら鑑賞してほしい。ぼくは一人で観ました。野球部キャプテンの友達とはいまでもたまに会って遊びますが、無敵にはなれなかったよ。
 
 

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