創作

書き下ろし短編一覧(2018年11月17日更新)

sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com sakamoto-th…

書き下ろし掌編:『Beat inside the bush』

須藤さんと飲むのが好き。好き好き。好きなの。うふふん。須藤さんは職場の先輩だった人。過去形なのは転職してしまったから。面接の際に、うちの職場の待遇のヤバさを不採用覚悟で愚痴ってみたら同情を買って親身になってもらえたとか話していた。須藤さん…

書き下ろし掌編:『Midnight Invincible Chilldren』

うわ~終わった~。 定額制のアダルトサイトに登録したら最初の二週間は無料とのことだったので、その間にAV観まくって有料期間になる前に退会しようかな、へへへと目論んでいたぼくはここにきてあろうことか恋をした。企画物の女優さん。名前がわからない…

描き下ろし掌編:『ウキウキ、キックミーアップ!』

眠れぬ夜をこえて迎えた朝に、俺は思う。眠すぎる。これ以外思いようがないので、ベッドから降り立ったさいの、ぺたりとした足の裏の感触や、背中一面を覆う鈍重な後ろめたさに気分をかすかに上下させつつ、カーテンを開け、朝陽を浴びた。するとどうだろう…

書き下ろし掌編:『歓迎』

はい、雨。 六月の二周目辺りから続く雨が急に止んで真夏のような晴天が広がったのが昨日で、慌てて洗濯をした。あっという間に乾いた衣類をとりこみながら、いよいよ迎えるであろう梅雨明けを期待したってのに、早朝の雨音で気分が死んで、睡魔も長く居座る…

架空の上司と戦おう!

「融通」だの「柔軟性」だのとご高説を垂れるくせに当のテメエは柔軟性のかけらもなく独自の『仕事論』を押し付けそんな自分を棚に上げるばかりか「センス」というワードの頻出する説教を決まってこちらの業務が立て込んでいるときに始める本来なら誰からも…

埼玉のいいところ

『埼玉のいいところ』 Lyrics:MCバー坂 www.youtube.com うるせえ馬鹿 海ねえからなんだ 東京までだいたい電車一本 池袋もほぼレペゼン埼玉 東上線 埼京線 関根元 どんどんアゲていこうぜレートにテンポ 御託はもう十分だろ 飲み込むバイブス やばい名産物 …

日本版『ファーゴ/FARGO』の舞台は血にまみれた埼玉!/『GYODA』

日本にも『FARGO』はあった 今度の舞台は日本の関東 作中キーワード 【爬虫類専門店 Exotic Pleasure】 【埼玉県警】 【城石組】 【須藤会】 【窪田会】 【カップル】 【工藤姉弟】 【殺し屋】 【闇の森公園】 日本一気温の高い地獄 脇を固める市井の人々 そ…

書き下ろし短編:『ゼラチン』

生理がきて外も雨だから、せっかくの休日がさっさと終わってほしいだけの日曜日。 この先期待することなんてなにひとつないかのように、私は機微のない心をもてあましている。こんな日にふっと生きることやめに走ったりしかねないかもなあ、なんてことを思う…

書き下ろし短編:『式では泣かないタイプです』【後編】

sakamoto-the-barbarian.hatenablog.com 我が文芸部の部室のドアには、星のカービィのシールが貼られている。ボロボロになって腐敗の進んだゾンビみたいなやつで、一年のころに先輩に聞いたところ、先輩の先輩の先輩の代からずっとあったものらしい。毎日の…

書き下ろし短編:『式では泣かないタイプです』【前編】

16:00~ ホームルーム終了後、教室の後ろの方で加藤たちとまんこからピーナッツを飛ばすおばさんの話をしていたら、すぐ近くを女子バレー部の若本紅愛が通りかかったので違う話に変えた。 僕の学ランが消えた話だ。 もともとはこちらが本題だった。 学ラン…

書き下ろし漫画『初デート』

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『GGG』計画

不労所得のことばかり考えているのは根っからの荒くれ者だからだ。この傲慢さを保ち続けなければ、そのまま朽ち果ててしまう。 何かを残せさえすれば、何かを残さなければという気色悪い焦燥から解放されるかもしれない。 最近、部屋にある10キロのダンベ…

書き下ろし短編:『ばりくそ慕情』

仕事に向かう環奈を玄関まで見送ったあとでコーヒーを淹れ、ミニテーブルの上にあった博多通りもんを口に放り込んで、あ! しまったと、おれは咀嚼をやめる。 これは彼女が最後の一つとして大事にとっておいたものなのだ。 日曜日。 久しぶりの友人に会って…

書き下ろし短編:『歓待』

部屋を一通り掃除して疲れて横になったところに発作がきて、俺はまた壁に穴を開ける。情けなくて嫌になる。薬を切らしたばかりだからだ。粘着ローラーで毛やほこりを巻き取ったばかりのカーペットに仰向けになった俺の眺める天井はやけに高くて、それこそ十…

書き下ろし短編:『白濁を耳に』

「う、ゥウッ……グッ……アッ……!」 その少年の放った声は、講義室の静寂にいとも簡単に飲み込まれてしまった。おれはすぐさま言葉を添えることはせず、肌を刺すようなこの沈黙をもって、彼自身に感じてもらうことにする。少年はひどい猫背姿で立ち尽くしたまま…

書き下ろし短編:『水泡にキス』

「え? コスプレイヤーの陰毛?」 ひなこの第一声に驚愕したぼくは、思わずその言葉を声に出して繰り返す。網の上で焼けていくカルビからは煙がもうもうと立ちのぼっているが、その向こう側で彼女が「うん」と頷く。ひなこはつい先日、駅前を歩いているとき…

書き下ろし短編:『上司を殺せ!』

二杯目のビールがなくなるころになって、サカモトが「中嶋を殺しませんか?」と口に出したとき、カスガは「あ、それいいね」と間を置かずに返した。もちろん冗談だと思っていたからだったが、それは違ったし、カスガ自身、本気だといいなとも思っていた。 サ…

書き下ろし短編:『Good morning, everyone.』

深夜四時を回っていた。煙草を一本手に取り、先端を眺め始めてから一体どれだけの時間が経ったのだろう。矢野は考えていた。特別気になる箇所がある訳ではなかったが、そうすることで落ちつくことができた。矢野はライターを持っていない。そもそも煙草を吸…

書き下ろし短編:『欝子の角栓』

いろいろあるだろうとみんなは言うけど、別にみんなが思っているようなことはなにもないし、そのなにもなさこそ、わたしが部屋を出ない理由なのだ。朝~昼に起きてまずやることなんてなにもない。ああ起きてしまったんだと後悔して、また明日も目覚めてしま…

書き下ろし短編:『赤文字自重』

彼女がニコ生での顔出しを目論んでいる。 「かれこれ二年くらい動画を上げてきてるし、あたしの動画を楽しみにしてくれてるって人も増えてきたでしょ? そろそろ新しい試みが必要だと思うの」 「それで顔を!」 「そうなの。しかも今夜の金曜ロードショー、…

書き下ろし短編:『処女膜からやまびこ』

「やっべえ! おれもっこりしちまった!」 喉をきゅっと絞り、腹から押し出すように放ったその言葉は虚空を漂って誰にも承認されず消滅した。 「一回ちょっと止めます」 監督の指示が入る。おれが唇を噛むのと同時に、だれかの溜息が聞こえた。 「いまのと…

新春書き下ろし短編:『無職・ザ・バーバリアン』

みんな集まっているからはやくこいとの電話があって、おれは親父に伝える。親父はソファーに寝そべりながら録画した『マッチスティック・メン』を観ていて、おれの声は届かない。すべては大塚明夫の声で吠えるニコラス・ケイジのせいだ。 「は?」 引き出し…