MidnightInvincibleChildren

15年ぶりにポケモンカードにハマりました

 

 

職場の人に誘われてポケモンカードを始めたらハマってしまった。

 

職場の人とは基本的に恋バナ以外で交流を持ちたくないとか思っていたのだけど、ポケモンカードはハマった。というのも、僕は小学生のころにポケモンカードをがっつりやっていた時期があったからだ。

 

僕の家のすぐ向かいに建っているアパートにHという同級生が住んでいた。Hはポケモン以外の娯楽をほぼ禁じられていた男で、彼の家にはポケモンカードが山のようにあった。彼には歳の離れた兄がおり、僕らが小学校中学年くらいのころにはすでに高校生だったその人もポケモンマスターだった。カードを几帳面にコレクションし、日々デッキの鍛錬に余念のない男だったのを記憶している。当時小学生だった僕だが、この男はただもんじゃないなという空気だけははっきり感じ取っていて、Hと遊びつつ、その兄が学校から帰ってくると少しだけ緊張したものだった。そんな兄に日々鍛えられていたH。しかし特別カードバトルが強いというわけではなかった。才能云々の話なんかしたくない。Hはたぶん、優しすぎたのだ。

 

僕の部屋の窓がHのアパートに面している側についていたことから、互いにカーテンの開き具合などから判断してよく遊んだ。夏休みなんて毎日バトル三昧だった。近所に公営団地があって、そこにも多くの同級生がいたことから、よく遊戯王カードなどをもって遊びに行っていた。でもポケモンカードにまで手を出したのはHとHに誘われた僕くらいだったので、ポケモンカードはHとしかバトルしなかった。

 

Hは現在音信不通だ。

 

15年という歳月は、そういうことが起こる余地を十分にもっていた。

 

ポケモンカードを再開するにも、昔のカードがどこにあるのかなんてわからない。新しいカードを揃え、デッキを作る必要がある。そんな懸念を抱いていた僕だったが、なんといまではタイプ別のデッキがワンコインで買えるのだ。

 

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僕は闘タイプのデッキを選択した。

 

 

ゲーム版のポケモンは『金/銀』で止まっているので、ルガルガンなんてポケモンは知らないし、GXという概念も僕がやっていた当時のポケモンカードにはなかった。新しいことを始めるのはいつだって怖い。でも、進まなければ。

 

いざバトルのルールなどを振り返ってみる。いまはスマホでなんでも調べられるので、ローカルルールのようなものが生まれにくいんだろうなとかちょっとだけ思った。

 

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GXとは「1バトルに1回だけ使える強力な技を持ったポケモン」のことだった。

 

そんなこんなで数回のバトルを経験し、なんとなく当時の勘も思い出してきたあたりでちがう目的が生まれる。デッキを強化したい。もっといいカードがほしい。じゃあどうすればいいのか。手に入れるしかない。

 

他のポケモントレーナーたちに話を聞いてみると、みんなそれぞれの方法でデッキの強化を図っていた。ある者は同タイプのGXスタートデッキを2つ買い、ポケモンやエネルギーカードの配分を変更したオリジナルブレンド・デッキを組み立てていた。またある者は拡張パックに手を出していた。拡張パックとは、1パックあたり5枚~のカードがランダムで入っているものだ。

 

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そんなものに手を出してしまったら、目的のカードが出るまで購入を止められなくなってしまうのは目に見えていた。それでも僕はホビーショップに赴き、なんの考えもなしに店頭で目に入った拡張パックを購入した。闘タイプデッキで無双する、未来の自分を夢想しながら。

 

そして運命的な出会いを果たす。

 

マーシャドーGX」を手に入れたのだ。

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そもそもマーシャドーというポケモンを僕は知らなかったのだけど、闘タイプでGXでしかもたねポケモン(進化が必要なく、即戦力となるポケモンのことをそう呼びます)であるマーシャドー。早速デッキに加えてみる。ルールから60枚で構成されていることに変わりはなかったというのに、デッキの厚みが増した気がした。

 

いざバトルで活躍させてみると、その使い勝手の良さにマーシャドーへの愛着も増す。GXにしてはHPが低めなのが玉に瑕だけど、これだけ活躍してくれているマーシャドーにそんなこと思う必要があるのだろうか。僕が戦法をしっかり練ればいいだけの話。我がデッキに入ってくれてありがとう。いまはもうそれだけだ。

 

バトルの最中にその魅力に気づくカードも多々ある。GXスタートデッキに最初から入っているスタジアムカード「せせらぎの丘」なんてまさにそれだ。闘タイプと水タイプデッキにとってこんなにも都合のいいスタジアムカードもない。

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そんな「せせらぎの丘」とコンボで出したいポケモンソルロック

 

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例によってこのポケモンを僕は知らなかったが、場にスタジアムカードが出ていれば、エネルギーカード1枚だけで相手に40ダメージを与えることができる。こういった技を使うと、自分が利口になったような気になれて楽しい。

 

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一見、愛嬌だけで一定のポジションを得たようなやつに思えるヌイコグマ。GXスタートデッキに最初から入っていた。しかも数枚。愛嬌だけでなんとかなっているやつを見るのが嫌いだ。そう思っていた僕だったが、ヌイコグマは恐るべき進化を見せる。

 

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キテルグマ。相変わらず見た目は愛らしいままだが、その実力はモンスターの名に恥じぬ怪物っぷり。炎タイプ以外からの攻撃は➖30されるのがデフォルトという防御特性から、恐るべき破壊力を有した技まで飛び出す闘タイプデッキのキーポケモンだ。否定ばかりじゃ人もポケモンも成長しない。褒めそやすことで圧倒的なパワーを見せる者も世の中にはいるのだ。ヌイコグマの化け方から、僕は世の摂理を見た。

 

 

そんなこんなでポケモンカードを楽しんでいる。楽しみだすと、あれもこれもと気持ちが湧いてくる。「せっかくのデッキを専用のケースに入れたい」とか、「カード一枚一枚をスリーブに入れて保護したい」などだ。もちろん公式サイトを眺めれば、それらのグッズも充実していることがわかる。でも僕はもう少し、ストリートなスタイルでいたい。そんなワガママが僕を公式グッズから遠ざける。

 

僕は近所の100円ショップに向かった。そしてデッキケースとカードスリーブをそれぞれ購入。前々からその存在だけは認識していたので、いざ必要となると行動も早い。

 

写真はダイソーのカードスリーブ。上がちょっとだけ余るけど、幅はジャスト。

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さらにはメルカリでコイントス用のコインまで購入。ピカチュウかと思ったらピカチュウっぽい知らないポケモンメタモン系なんでしょうか。

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 そんなこんなで、僕はポケモントレーナーとしての長い道のりを再び歩き始めたのである。

 

 

 

デッキをシャッフルしていると、高確率でHのことが頭をよぎる。きっと彼は、いまも沖縄のどこかにいて、ポケモントレーナーとして納税していることだろう。そうであってほしい。じゃなきゃ困る。

 

僕はもう一度、Hとバトルがしたい。

 

きっといつかの夏と、同じにおいがする。