MidnightInvincibleChildren

『神さまの言うとおり』の女子たち

 

 『神さまの言うとおり』を観た。学園祭などにおける「気になる子がたくさんいるクラスの出し物」を観ている感じが楽しかった。そもそも「死のゲーム」系の物語はだいたい主役からモブにかけて「うわあああああああああ!」とか言ってて恥ずかしいので食指が向かないジャンルではあるものの、三池崇史先生が指揮を執った結果スケベで悪趣味な出し物になっていたし、演じているみんなも楽しそうだったので、結果ぼくもまあいいかという気分になった。

 

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山崎紘奈ちゃんは目が威圧的なまでに大きくてやんちゃな印象を受けるけど正統派少年漫画ヒロインを魅力的に演じていた。どこか武井咲ちゃんに通じるようなやんちゃ感があるのでお転婆な役がよく似合うし、破れた制服を身にまとう様にはアマゾネスのような色気があった。劇中ではあまり意識はしなかったけどスタイルもすごくいいみたいなので、今後の活躍が期待される。

 

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また優希美青ちゃん。彼女を初めて知ったのは『あまちゃん』のGMT47メンバー小野寺薫子役なのだけど、あのころは大人っぽい顔立ちと相反する幼い雰囲気が不思議なぎこちなさを生んでいて居心地の悪さを感じていたが、今回の登場シーンではその完成された美少女っぷりに驚愕。濃いめのメイクが似合う点も含めて、ここ最近の石原さとみに通じるものがあるし、どこか隙のある感じが綾瀬はるかをサブリミナル的に彷彿とさせる魅力的な女優だ。ちゃんといじめられっこにも見えるところもいい。

 

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なにより素晴らしかったのは二つ目のゲームに登場する人喰いまねきねこに声をあてていた前田敦子。露悪的な関西弁の猫喋りをあの独特な声を駆使して演じている様は身悶えするほどに感動的。どことなくまねきねこのメイクも前田敦子っぽい。前田敦子を筆頭に、声優陣の遊びは楽しかった。あとパニックになるエキストラどものテンプレ演技を切り裂く染谷将太の第一声も感動的。

 

可愛いなと思う子がたくさんいるクラスの劇、くらいのテンションで観るのがちょうどいいし、誰がどう死のうと結構どうでもいいし後半ダレるけどラストシーンは結構好きなので結果としてプラマイを繰り返して計算がどうでもよくなる感じの映画でした。今年観た三池作品の中では『土竜の唄』よりは面白かった。あ、でも一番はDVDで観た『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』です。おすすめ。