読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

悪でもって悪を討つ!/『スーサイド・スクワッド』

f:id:sakabar:20160913000546j:plain

あらすじ

そこはスーパーマンの存在する世界。政府は彼のような能力を持つ「邪悪」な存在の出現を懸念し、「タスクフォースX」計画を発動した。それは凶悪犯罪者専門刑務所に収監されている悪党どもだけで結成された特攻部隊(スーサイド・スクワッド)の創設。恩赦と引き換えに人権もコンプライアンスも関係ない無謀な任務を強制される使い捨て集団だ。そんな中、人類の脅威となるメタヒューマンが活動を開始。世界を破滅の危機に陥れる。出番だ暴れろ!スーサイド・スクワッド

 

「タスクフォースX」選抜メンバー

ハーレイ・クインマーゴット・ロビー)】

f:id:sakabar:20160912235402p:image

ハ~イ♡わたしはハーレイ・クイン。昔はハーリーン・クインゼルとか名乗ってたかも。元々精神科医をやってたんだけどアーカムアサイラムプリンちゃんに出会ってから人生が一変!脱走に協力して二人でたくさん悪いことしまくる最高の日々を過ごしていたんだけどお邪魔虫のバッツィに捕まえられてあたちだけ刑務所へ。ガーン!プリンちゃんと離れ離れになっちゃったよ~~~ファックザバッツィ!ロビン同様殺してやる!ってことで毎日退屈だしさみしいから布にぶら下がったり鉄格子を舐めたりして過ごしてるの……。そんな折、首に爆弾?仕込まれてテロリストと戦う?ことを命じられちゃうんだけどう〜んやっぱり興味なし。世界の危機よりふたりの愛。わたしはただプリンちゃんに会いたいだけ。会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい……。

 

【デッドショット(ウィル・スミス)】

f:id:sakabar:20160912235411p:image

クソったれめ!俺はフロイド・ロートン。デッドショットと呼ばれる百発百中の殺し屋さ。数少ない楽しみである娘とのデート中にクソったれバットマンに捕まえられたのが運の尽き。いまは独房暮らしだがいつの日か必ず脱獄してみせるぜ。なんて考えていた矢先、政府の連中からの勧誘が。冗談じゃねえ。ただし俺と娘の明るい未来を約束してくれるのなら話は別だ。ちゃんとメモしときな、お偉いさん!

 

エル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)】

f:id:sakabar:20160912235708p:image

ヘイYOワッサップ?俺はチャト・サンタナa.k.a.エル・ディアブロ。炎を自在に出現させ、操作できる能力を持っているが、そのおかげで最低最悪の事態を招いてしまったことがある。こんな力、ない方がいいのさ。例え政府の連中に「利用できる」と期待されたところで関係ねえ。任務?参加したくないよ。どうでもいい。ほっといてくれ。

 

キラー・クロック(アドウェール=アキノエ・アグバエ)】

f:id:sakabar:20160912235715p:image

ガハハ。俺はウェイロン・ジョーンズ。通称キラー・クロックだ。ワニ男呼ばわりがウザってえから下水でのんびり暮らしていたってのにあのコウモリ野郎に捕まえられちまった。政府のスカウトは鬱陶しいがまたシャバの下水に戻れるのは嬉しいから頑張るぜ。

 

【キャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)】

f:id:sakabar:20160912235453p:image

どきやがれ!俺はジョージ・ハークネスだ。人呼んでキャプテン・ブーメラン。人間と違ってブーメランは裏切らねえ。ぬいぐるみもな。オーストラリアで強盗しすぎたせいで襲う場所がなくなってきた俺はアメリカに遠征、よくわかんねえ光速野郎に捕まっちまった。もち、任務になんて興味ねえよ。隙を突いて逃げてやるぜ!!!なあ!スリップノット

 

スリップノット(アダム・ビーチ)】

f:id:sakabar:20160912235502p:image

やあ!俺はスリップノット!お得意のロープを使えばどこにだって上れるぜ。そんな俺に目をつけた政府の人間たち。ある特殊任務につくことになったんだ。首には小型の爆弾。逃げたら死ぬって?上等、上等!いっちょ暴れてやりますか!え?キャプテン・ブーメラン、いまなにか言った……?

 

【リック・フラッグ大佐(ジョエル・キナマン)】

f:id:sakabar:20160912235725p:image

諸君、俺はリック・フラッグ大佐だ。今回とある事情によりならずもの軍団の指揮を執ることになった。危険な狂人どもめ、貴様らの首に仕掛けた爆弾は俺の采配で起爆させることができる。俺に危害を加えようとしたり、逃げようとしても同じだ。各々、肝に銘じるように。あと余計なことを口走るな!指示に従え!うるさいぞ!魔女とのファックは最高に決まってる!

 

【カタナ(福原カレン)】

f:id:sakabar:20160912235801p:image

初めまして、わたくしはカタナと申します。本名はヤマシロ・タツです。この日本刀でリック大佐をお守りするべく参上いたしました。悪党どもに慈悲などいらぬ。余計な動きを見せたものは即一刀両断。重々覚悟をしておくように。

 

【エンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)】

f:id:sakabar:20160912235532p:image

こんにちは、ジューン・ムーンです。考古学の博士をしています。以前、ある洞窟に調査に赴いたときに長年封印されていたエンチャントレスと言う……私はエンチャントレス。長い眠りから目覚めた古よりの支配者。私の大事な心臓が人間の手によって管理されているので、奴隷のような扱いを受けている。我慢ならない。同じく封印されている弟を復活させ、この世界を支配してやるわ!

 

その他

ジョーカー(ジャレッド・レト)】

f:id:sakabar:20160913214234p:image

 HAHAHA!オレだよ~!スウィートハート!いま迎えに行くからね~~~!

 

感想

デヴィッド・エアー監督といえば、少年時代をロスにあるサウスセントラルで過ごし、17で海軍に入隊したというザ・タフな監督。ガラの悪い人がガラの悪いやつらとぶつかって誰かが死ぬ、そんな映画を多く撮ってきた印象だ。そんな監督にとって悪が悪を討つストーリーである今作なんて最適じゃん!と思ったのは紛れもない事実であり、ヤンキーイズムむき出しの衣装や美術がグッとくるスチール、Queenの『ボヘミアン・ラプソディ』流れる予告編などを見るにつれ、期待に胸中を温かくしていた。監督の過去作は全部好きだもんね。『バッドタイム』なんて心の一本だぜ!ということで、今回は自分がなぜ今作にのれなかったのか、それを記しておこうと思う。いつかこの作品の光る部分を能動的に見つめられたときに、過去の自分を振り返るためだ。

 

身も蓋もなく言っちゃえば、おおよそ期待していたことが起こらなかった。ここでの「期待」が何かといえば、悪党の活躍に自由を見たり、ならずものの心が通じ合う気持ちよさだったり、ケレン味溢れるアクションのことを指しています。そんでいざ鑑賞すると、全然そういうことじゃなかった。なにがケレン味溢れるアクションだ馬鹿野郎!ぼくはアクションが退屈だという一点だけで急に冷めてしまうところがあるが、それを除いても、いまのぼくの頭じゃこの映画のいびつさを補完する力が足りない。映画、盛り上げちゃダメなの?と思った場面が何度もあった。同時に、監督めちゃくちゃ大変だったのかも、という心配も胸をよぎった。魂を込めたのに、その縁取りを邪魔されたとか、そういう拭い去り難い「本当はこんなつもりじゃなかったんだけど」感を感じてしまった。好き嫌いで言えば好きだけど、それで片付けるにはこの混乱を無視することができない。この映画を嫌う気にはならない。でもちょっとどうしていいかもわからない。だから人と話したい。そんな感じでまた面疔ができた。

 

今作のジョーカーに関してもぼくはなかなかに複雑な想いを抱いている。ヒース版ジョーカーとの比較はお門違いだとの声もあるが、別にそういうことじゃない。ジャレッド・レトの演じ方に文句はない。ただあのキャラクターが、ぼくの高校時代のある友人を想起させるものでつらかっただけだ。そいつは高校に通って初めてできた彼女と近所でも問題視されるほどの愛欲の日々に溺れるのだけど、次第に感情はねじれを見せ、ついにはその彼女をきつく束縛するようになった。彼女が自分に冷たい態度をとれば、誰かと浮気しているんじゃないか、その相手はお前なんじゃないかといった内容の長文メールをぼくに寄越してくるほどの攻撃性を見せる一方で、そんな自分の行動を「愛」という乱暴なくくりで美化し、吹聴できる傲慢さを持っていた。殺そうと思ったこともある。なので今回のジョーカーも自分の「所有物」であるところのハーレイちゃんを「愛」という名の独占欲のもと奪い返そうとしては人の邪魔ばかりする男にしか見えず、今回のバットマンがやむを得ない殺生は実行するタイプで本当に良かったと思った。しまった、今回のジョーカーがどうこうって話じゃなくなっている。ぼくはかつてのあの友人へ抱いた怒りを再燃させているだけに過ぎない。

※ちなみに調べてみたところ、今回、ジョーカーのシーンが大量に削除されているとの話だが、その中には彼のDV彼氏的側面の描かれたシーンが含まれていたそうだし、マーゴット・ロビー本人もこのふたりの関係には肯定的じゃないらしい

 

 ということで『スーサイド・スクワッド』、願わくば登場人物の中にショットガンを操るキャラクターがいれば最高だった。ぼくは映画に出てくるショットガンが大好きだし、絶対この映画にもショットガンが似合うはずなのだ。ふざけてなんかいない。ぼくは真剣にそう思っている。