違った。
無地じゃなった。
「それなに?」
「これ?」
「うん」
「もっとよく見ていいよ」
僕は眉根を寄せながら腰を折って顔を近づける。彼女の胸元に。なんてところをまじまじ見つめているのだ。すかさず顔を引いた。
「あ、ごめん」
「なにが?」
「いや、別に」
「よく見てよ」
「うん……」
「わかる?」
「黄色い……なんだろう」
「もっと見て」
「んん……?」
「わかった?」
「ええっと……」
彼女は笑みをたたえながら、悪戯っぽく目を細めて言った。
「マンゴー」
「え?」
「冷たくて美味しいマンゴー」
その他にも
「冷たくて美味しいマンゴー(よそ行き)」
「冷たくて美味しいマンゴー(party time)」
などをご用意しております。
これらを身につけ、実家に帰省したり、ナイトプールに行ってはいかがでしょうか。